帳面物語
春とは思えないほど暑い日となりました。
豊岡30度だなんて、この先の夏を思うと、
想像だけで汗がでてくる私は本場の夏大丈夫か。
まだ4月だなんて絶対嘘だ。
私がゆうきを手伝うと決めたとき、
心に誓ったことがあります。
それは、『母が言うことには必ず全て「はい」と応える』
母だからといって、
ゆうきのお店に入れば私の師匠。
ここは甘えずなんでもイエスまんにならなくては!と。
そんなある日母から帳面の付け方を教わりました。
母「ここにこれ記入してー、そしたらこれをそのままこっちにうつしてー」
娘「…はーい」
このとき私は思った。
『え?これ何回も同じこと書くならパソコンのが早くない?いやだめだ、そんなこと母には言えない。イエスまん、イエスまん♪』
カキカキカキ…………
娘「書けた!確認してー!」
母「はーい。……なぁなぁこの字冗談?」
娘「なんで?本気。」
母、爆笑
そうなのです、私は字を書くことがすこぶる苦手。
そして私の字を冗談かと笑う母もじつはたいして綺麗ではない。
娘「えーお母さんと私の字、似とるやん!」
母「え!?似てへん!!似てへんわ!」(←すごい勢いで否定、もはや拒絶)
そう、こんな会話を何度も繰り返すもんだから、私はついに言えてしまった。
娘「なぁ、もう手書きじゃなくてパソコンでよくない?」
母「呉服は手書き!!!!」(←即答)
ゆうきを手伝って初めての娘の反抗は、母の一喝により敗北。
呉服は手書き!の意味はよく分からないが恐らく母がパソコンを使えないからというだけ。
と、いうことで、
呉服屋二人して字が汚いなんて致命傷、と思い、私は今日から
これしてます。
母がせっせと働いてるなか、事務所の机をじんどって、これしてます。
そんな娘を見て母はきっとこう思ってるであろう。
「つかえね~」
言葉にしない母に感謝し、
必ず30日後、字が綺麗になっていることをただただ願う娘なのでありました。
豊岡市庄境211-1
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